ふみきりのぼうけん

電子工作、プログラミング、旅行、書籍紹介などの雑多なブログです。

「機械音痴」の人に問題解決させられる労力について

今朝Twitterでこんな記事を読みました。

happyguppyaki.hatenablog.com


正しい、正しくないは込み入った議論になるので置いておいて、専門的な内容をこういうふうに違う事柄に置き換えて専門外の人間にもわかりやすく伝えるというのはすごく重要なことだと思います。
例えがうまい人だと昔話とか三国志とかそういうところから引っ張り出しますよね。私もそんな引き出しが欲しい…


そんな中、今回したい話も良い悪いではなく、まあ暇つぶしの例えとして聞いて貰えればと思います。
私がいつも気になっているのはこの言葉です。

最近○○のアプリで通知がこないんだよね~

私、機械音痴だからわかんないんだよね~。

だからこれ直してくれない?

〇〇、機械得意だよね?


はい、きましたこれ。
いやね、自分で努力した形跡が見えたり、自分がここまでわかったけど、続きがわからんとかなら全然構わないんですよ。
それに人の時間を奪って申し訳なさそうとかそういう意識があればいいんですよ。ちゃんと私の都合を心配しながら声をかけてくれる人もとても多いです。
でもね、これを言う人ってそういう人ばかりじゃないじゃないですか。


そういうことを悪気なく言う人って

不具合のキーワードで検索かけてみた?
OSとアプリのアップデートとか、思い当たる節はある?
そもそも俺が解決できるの?

っていう質問してもわかんない、知らないしか帰ってこないんだよね…とりあえずやってみてよ!とか言われるし。
あああああああってなります。

そんな人にこの問題わかりやすく伝えるため!

料理

を例えとして説明したいと思います!

※あくまで個人的なつぶやきです。





最近見たテレビ番組でこの写真の料理が出てきて美味しそうなんだよね~。
なんかヨーロッパのほうの料理らしいんだけど~
私、料理できないから作り方わかんないんだ~。すぐ作ってくれない?
〇〇、料理得意だよね?


確かにオシャレで美味しそうだし、料理も日常的にやってるのでおもしろそうだな~とは思います。
ただ、写真だけ見せられても困るので、料理を知った経緯とか作り方とか雑談混じりで聞いていきます。


どこで見たの?


テレビ番組でやってたの!
美味しそうだから思わずスマホで撮っちゃった!
なんかヨーロッパの方の料理らしいよ!


へ~なんて料理名なの?


知らない(笑)聞き逃しちゃった(笑)


…(苦笑い)



んで、詳しく話を聞いてわかったのが…

料理の名前?知らない。あなたが調べて。
レシピ?わかんない。あなたが調べて。
材料?知らないし、家にあるかどうかもわかんない。あなたが調べて。
得意って言ってたし、すぐできるでしょ?
失敗したり美味しくなかったらすぐ作り直してね。

ということを友は結局の所言いたいのであった…


奥さんだけが家事を行う家庭で夫が奥さんにこんなこと言ったらブチギレられそうですね(笑)




でも、機械音痴についてのくだりはこの料理に関する話と同じなんですよ。

料理の名前:不具合の名称・検索のキーワード

まあ表面からじゃわかりにくい。調べて当たる場合もあるし、他の関係ない情報が出てくる可能性あり。

レシピ:うまくいかない原因・動作環境

有名な不具合で名称があったりする以外に不具合の原因なんぞすぐにわからん。
OSのバージョン、アプリのバージョン、バージョンアップデート前後なのか、動作保証内なのが外なのか。

材料があるか:解決のために個人単位で変更できる設定内なのか

シンプルな設定とかならいじれるけど、バージョンの関係で動作保証外ならどうしようもない。もしくはアップデートしたばっかりで動作が不安定とか。「個人で変更できる範囲内か?」を検証するには個人で変更できる要素をすべて検討・実践しないと結論が下せない。

すぐできるでしょ?:その場での解決が求められる

ちゃちゃっと設定変えて戻してよ、という注文。いやアプリケーションとかOSのアップデート早いし相性もあるし、嘘言うのも良くないし、曖昧な状況下でそんなんすぐ結論下せないです。

作り直してね:上手くいくまで全部の手段を試してね

我々が不確定な環境の中でもなんとか頭の中で方法をリストアップして一つ一つ確認している最中、目の前にはできて当然と言わんばかりの依頼人が…

まあそれぞれのキーワードを当てはめるとこんな感じになるでしょうか。

結局、こういうのが得意な人って、過去にいろいろなトラブルにあって、解決してきたからこそ検索とか設定に関してもおおよそのアタリがつけられるのであって、簡単なわけではないんですよね。

若手の鍵開け職人が1時間でもらう金額と熟練の職人が3分でもらう金額が一緒であるのと近い話だと思います。

料理の例えでも、おそらく見た目から食材や味付けがわかって、それをもとに調べるでも作るでもすると思うんですよ。それだって簡単なことじゃなく、いろいろな料理を見て作ってきたからできることだと思うんです。



実際、私自身も作業を引き継ぐときとか、新しいことをするときに、一回で全部理解するのは難しいと思っていて、後輩にも10回くらいなら同じこと聞いてもいいよって言うんですよ。人間の理解力はそれぞれだし、バックグラウンドも違うので、そこは許容する姿勢でいるわけです。


でもね、「私は~だからーやって」この言葉って違うんですよ。

私はできないけど、あなたにとって簡単なことでしょ?

だからあなたの時間を奪っても大したことないし、私は得をする。

すばらしいじゃない?

こんなふうに書くと言ってる人はそんなつもり無い、とかそんなに悪い書き方しなくてもいいだろうという意見が出てくるかと思います。
でも、やってることはそういうことだと思うんです。意図的であるかないか以前に、事実としてそうなってる。


私は文系理系、男女、世代とかのカテゴライズする考えは好きでないし妥当性もないと考えていますが、それでも自称「~系×××」とかいう人は実際にいて、理解する努力を拒絶する人は私から見て世の中に一定数いると思っています。

もちろん、それも悪いことと思っているわけではありません。新しいことを理解することが好きな人がいる一方、理解したくない人もいるわけですし、周りに遅れたくないから新しいものに手を出さざるを得ないという人もいると思います。そういう人からすればある程度の努力でさえ大きな壁になりますし、拒絶することで自分を守ることも人生において立派な手段です。


というのが今回の例えを見た人に気づいて欲しいことです。
まあ専門外なんて私もわからんとですよ。これはしょーがない。ただ、ちょっとだけ、自分ができないから、他の人も大変なんだろうと考えると、みんなが楽になるかもしれないよね、って話です。