しょぼい起業で生きていく
もう、嫌な仕事をするのはやめませんか?
朝起きるのがつらい
決まった時間に行動できない
すぐに忘れ物をする
こういった特徴を持つ人は本人の意志や努力でどうにかなるものではなく、れっきとした脳の特性であることが近年報道されています。ただ、これらの特徴にたいしてまだ社会の理解は得られているとは言えず、単なる”甘え”として扱われることも多いと聞きます。
そんな現代社会で、どう生きればよいのか?
この問題に対し、今回はこちらの本を紹介したいと思います。
- 作者: えらいてんちょう
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2018/12/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本を書かれたのは”えらいてんちょう”(略してえらてん)さんという、リサイクルショップやイベントバー、学習塾、語学教室を経営しており、Youtuberとしても活動していらっしゃる方です。
私はYoutubeで動画を見るのが好きなのですが、下記の動画でえらてんさんを知りました。はじめは宗教関連の方かと思ったのですがそうではなく、起業家、その活動の中で宗教のネタを取り扱っているという状況だそうです。
www.youtube.com
このえらてんさんは上記の発達障害に近い特徴を持ち、就活等ができなかったと下記の動画で公言しています。
発達障害者(ADHD)はユーチューバーに向いてる!?当事者が語ります
起業というとババーンとカッコいいプレゼンでドバーッとお金を投資家から集めてあらん限りの最強のコミュ力で成功するか、失敗してどうしようもなくなるというイメージがありました。(かなり個人の偏見がありますw)
一方で、えらてんさんは一般的なサラリーマンではなく、かといって上記のような起業でもなく、
”しょぼい起業”
を通じて生きていくことを提案しています。この”しょぼい”という言葉は、
ふつうのことがふつうにできないけど、しょぼくても生きていていいこと、生きていけること
という意味で使われています。
私自身は発達障害等の目立った症状はなく、おそらくサラリーマン系の仕事に対して適正がある(かもしれない)人間だとは思っているのですが、この考え方や行動の仕方に関して新しい働き方としておもしろいと思いました。
”しょぼい起業でいきていく”における3つの要点
1.生活の中で自分がやっていること・持っているものを事業化する(生活・資産の資本化)
農業を例とすると、果物などの贅沢品を生産&収益化するのではなく、野菜などの日常で食べる食材を作り、まずは支出を減らす。そして余った分を売り出し、収益化する。自分が持つ資産があるなら眠らせないように貸し出し、収益化する。単純な”年収”という計算ではなく、現金化されていないものや事業を考慮する。
2.事業は自分ができそうなことをできる範囲で実行することから始まる
事業はアイデアから資本を集めて設備を投資してから営業するのではない。小さくても事業をはじめて営業していると資本が集まり設備が整ってくる。特に、出資者から信用できる人物として出資をしてもらうためには、「事業を始めたが、この部分でお金が足りない」という「自分で小さくても成し遂げたものがある」ことが重要である。
3.「正しいやりがい搾取」で人を集める
「何も頼んでないのに、自由意志で何かをしてくれる人たち」がノンストレスで働けるような環境をセットする。そうすると、各々が好きなことを実行しだし、それが事業への利益になり、その行動自体がその人たちへの対価となる。この関係が交友関係などを通じて広がり、現金としては見えないが事業の資産となる。
さいごに
まっとうに会社に務めて努力をすると給料が上がり待遇がよくなるという時代は終わっていると思うので、例えば、一定年数会社に務めて、数年別のことをやる、もしくは大学に戻ってさらなるキャリアアップというルートはマイナーなのは変わらないにせよ、昔よりも選択肢として現実味が増しているのかもしれません。
私は起業に関してあまり関心がなく、この本においてなにが新しくて何がそうでないのかなどはわからない部分も多いと思っています。しかし、サラリーマンとして務めるという結論にしても、こういった生き方を心の端に持ち続けることで新しい考え方や思いも知らない協力が得られたり、いざというときに冷静な判断ができるのかもしれない、とも思いました。